「買い物療法」は本当に効くの?研究がわかっていること
要点 - 部分的にはイエスです。気分が沈むと計画外の「自分へのごほうび買い」が増えることが研究でわかっており、そうしたごほうびは本当に気分を持ち上げてくれます。 - しかも大事なのは、そうした買い物がいつも後悔につながるわけではないこと。買い物療法は、気分を切り替える戦略的な一手にもなり得ます。 - ただし問題はタイミング。急に湧き上がる「欲しい」が、本来なら選ばないはずのものを一瞬だけかき消してしまうことがあります。 - 困るのは、それが気分を整える「唯一の手段」になったり、ごほうびを「選んで」いる感覚が消えたりしたときです。 - 助けになっているのか、ただその場をしのいでいるだけなのか。それを確かめるいちばん簡単な方法が、少しだけ時間を置くことです。
「買い物療法」という言葉は、たいてい肩をすくめながら口にされます。半分は冗談、半分は告白のように。でもその裏にある問いは、まっとうなものです。何かを買うことは本当に気分をよくするのか、それともその場だけそう感じているだけなのか。研究は、皮肉屋にも熱狂的なファンにも期待されるより、ずっとバランスの取れた答えをくれます。
正直な答え:効きます。しかもそれは、思うほど愚かなことではありません
ここが多くの人を驚かせる部分です。研究者が買い物と気分の関係を調べたところ、気分が沈んでいると、気持ちを持ち上げようとする計画外の買い物が確かに増えること、そしてそうした「自分へのごほうび」が本当に気分を改善し、いつも後悔につながるわけではないことがわかりました(Atalay & Meloy, 2011)。つまり買い物療法は効き得るし、つらい一日を持ち上げる、合理的で、ときには戦略的とさえ言える手段になり得るのです。
これは、たいていの節約アドバイスが認めたがらない、ずっと寛容な発見です。そして真剣に受け止める価値があります。小さくて意図的なごほうびが、確かに気持ちをリセットしてくれるなら、そこに本質的に悪いことは何もありません。感情とお金が触れ合ってもいいのです。ここでのゴールは、買い物療法を「間違い」と断じることではありません。いつ助けになり、いつ静かに「そうならなければよかった」ものへ変わっていくのか、その境目を見つけることです。
では、落とし穴はどこに?
落とし穴はタイミングであって、道徳の問題ではありません。突然の欲求の高まりは、あなたの長期的な好みを一瞬だけ上回ってしまうことがあります。本来の望みを消し去るのではなく、ほんの一瞬だけ多数決で負かしてしまうのです(Hoch & Loewenstein, 1991)。買い物療法は、そのごほうびを本当に「選んで」いるときには役立ちます。役に立たなくなるのは、そのごほうびが実は落ち込んだ瞬間にいちばん声が大きかっただけの選択肢で、落ち着いた好みが口を挟む前につかまれてしまったときです。
悪い方へ傾きかけているサインが二つあります。
- それが唯一の手段になっている。 ストレスや退屈、悲しさへの対処が主に買い物になっていると、買うことがどんどん多くの仕事を背負うようになり、コストは積み上がっていきます。
- 得られる安らぎが小さくなっている。 ものそのものより「買う行為」が目的になってくると、気分の高揚は短くなり、あとから悩む時間は長くなります。買ったあとに残るあの平板で落ち着かない感覚には名前があり、研究の裏付けもあります。詳しくは買い物の後悔をご覧ください。
気分がどう買い物へ変わっていくのか、全体像を知りたいなら、感情的な買い物が同じ話題を「感情」の側から扱っています。
シンプルな見分け方:少し時間を置く
助けになる買い物療法と害になる買い物療法の違いが、そのごほうびを本当に「選んで」いたかどうかにあるのなら、確かめる簡単な方法があります。少しだけ待つことです。欲しいという高まりは引いていくので、短い間を置けば、それがどちらの買い物なのかがわかります。明日もまだ欲しければ、それはおそらく本当の選択でした。衝動が消えていれば、それは気分が言わせていただけ。しかもあなたは、コストを払わずに気分の高揚だけを手に入れたことになります。
これが24時間ルールの根っこにある考え方です。ごほうびを禁じるためではなく、感情が落ち着くのを待って、この二つを見分けられるようにするためのものです。これは衝動買いを抑えるためのより広い手法の一つでもありますし、そもそもなぜ衝動がこんなふうに振る舞うのかを理解したいなら、なぜ衝動買いをしてしまうのかがその仕組みを説明しています。
買い物療法は、ごほうびを本当に「選んで」いるときにいちばん効きます。そして引いていく衝動はその場では判断しにくいもの。だからこそ、欲しいと感じてから買うまでのあいだに置く、短くて自分だけの「間」が、気分の高揚は手元に残し、後悔だけを手放すことを可能にします。ImpulseShield は、その「間」をあなたのデバイスの中で保つためにつくられています。
関連記事
- 感情的な買い物 — 気分の落ち込みが計画外の買い物を引き起こす理由
- 買い物のあとに罪悪感を覚えるのはなぜ? — 買い物療法が後悔を残すとき
- なぜ衝動買いをしてしまうのか? — 衝動の裏にある心理
- 買い物の24時間ルール — ごほうびを見極める「間」
- 衝動買いをやめる方法 — 手法のすべて
参考文献
- Atalay, A. S., & Meloy, M. G. (2011). Retail Therapy: A Strategic Effort to Improve Mood. Psychology & Marketing, 28(6), 638–659. https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/mar.20404
- Hoch, S. J., & Loewenstein, G. F. (1991). Time-Inconsistent Preferences and Consumer Self-Control. Journal of Consumer Research, 17(4), 492–507. https://academic.oup.com/jcr/article-abstract/17/4/492/1797243