衝動買いをやめる方法

現金で払うと支出が減る理由

「現金を使いなさい」は、繰り返し語られるお金のアドバイスの一つですが、その多くと違って、これには本物の研究の裏づけがあります。現金で払うと、実際に支出は減る傾向があります。そしてなぜかを理解すれば、カードで払うときでも同じ効果を得る方法が見えてきます。

根拠:カードは払う額を引き上げる

もっともはっきりした知見は、支払い方法が支払意欲をどう変えるかを調べた統制実験から来ています。人々が品物に入札したとき、カードで払うよう言われた人は、現金で払う人よりもかなり多く払う気になりました。あるオークションでは、カードの入札額はおよそ2倍にのぼりました(Prelec & Simester, 2001)。同じ品物、同じ人々、違うのは支払い方法だけ。それでも、手放してもいいと思う金額は大きく動いたのです。

これは驚くべき結果です。品物については何も変わっていないのですから。違いは、払うことがどう感じられたか、それだけでした。

「支払いの痛み」

その知見の背後には、シンプルな考えがあります。お金を使うことはちょっとした「痛み」として刻まれ、支払い方法によってその痛みは大きくも小さくもなる、というものです。物理的な現金を手渡すと、コストは鮮明になります。お金が出ていくのを目で見るからです。カードをかざすと、それは抽象化され、購入の瞬間には痛みがほとんど刻まれません。

脳画像の研究は、これに物理的な裏づけを与えます。高すぎると感じる値段を見たとき、不快さに関わる脳の領域が活性化し、その「値段の痛み」と品物を欲しがる「報酬」との釣り合いが、実際に買うかどうかを予測しました(Knutson et al., 2007)。現金はその値段の痛みの信号をループの中に留めます。摩擦のない支払いはそれを鈍らせます。摩擦のない支払いがこれほど支出を促すのに長けているのは、まさにそのためです。

痛みを強く感じる人とそうでない人

正直な微妙さを一つ。支払いの痛みは、誰にとっても同じではありません。支出がどれだけ胸を刺すかは、人によって一貫した違いがあります。研究者は、痛みを強烈に感じ、望むよりも使わなさすぎる傾向のある「ケチな人」から、ほとんど感じずに使いすぎる「浪費家」まで、一つのスペクトラムとして描いています(Rick, Cryder & Loewenstein, 2008)。

これは、この知見をどう使うかに関わってきます。もしあなたが浪費家寄りなら、摩擦を戻すこと(現金や、下記の工夫)がいちばん効きます。生まれつきのブレーキが軽いからです。ケチな人なら、そんなに必要ないかもしれません。あなたにとってのリスクは、持っているお金を楽しみきれないこと。ここでの要点は、現金が高潔だということではありません。支出はちゃんと意識に刻まれるべきで、そうすれば判断が本物になる、ということです。

現金を持ち歩かずに効果を得る方法

恩恵を受けるのに、完全な現金主義になる必要はありません。てこになるのは摩擦で、デジタル決済にも摩擦を戻せます。

  • ブラウザやショッピングアプリから保存したカードを外し、ワンクリックや保存済みウォレット決済をオフにして、払うのに意図的なひと手間が要るようにしましょう。これは買い物のきっかけを取り除くの一部です。
  • 使いすぎるカテゴリには、現金の実物版である封筒貯金システムを使いましょう。
  • カードでいい場面とそうでない場面のより詳しい比較は、現金 vs. カードをご覧ください。

そもそもなぜ摩擦のない支出がこれほど注意をすり抜けるのかは、なぜ衝動買いしてしまうのかをどうぞ。

ツールが助けになるところ

カードは支払いの痛み、つまり本来ならあなたを引き止めていた信号を鈍らせることで働きます。だから対処法は、購入の瞬間に意図的な摩擦をひと呼吸ぶん戻すことです。それこそがImpulseShieldのすることです。欲しいと買うのあいだに短い間を置きます。プライベートに、あなたの端末の中で。そうすることで、摩擦のないタップに、現金払いが担っていたはずの重みが少し戻るのです。

これを続けていく習慣として捉えたい方には、意識的な支出がこれらの考えをつないでくれます。

関連記事


参考文献

  • Prelec, D., & Simester, D. (2001). Always Leave Home Without It. Marketing Letters, 12(1), 5–12. https://link.springer.com/article/10.1023/A:1008196717017
  • Knutson, B., Rick, S., Wimmer, G. E., Prelec, D., & Loewenstein, G. (2007). Neural Predictors of Purchases. Neuron, 53(1), 147–156. https://www.cell.com/neuron/fulltext/S0896-6273(06)00904-4
  • Rick, S., Cryder, C. E., & Loewenstein, G. (2008). Tightwads and Spendthrifts. Journal of Consumer Research, 34(6), 767–782. https://academic.oup.com/jcr/article-abstract/34/6/767/1845388